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英検1級合格後にノー勉でTOEICを解いてみた
2018年第2回の英検1級に合格してから、ふとしばらく触れていなかったTOEICの問題をやってみようと思いました。英検1級のために約1年ほど勉強してきたけど、いまの実力で解いたらTOEICは何点とれるのだろう?TOEIC対策の勉強は全くせずに、以前買って放置してあった「TOEICテスト新・最新トリプル模試」をやってみたら、スコア920点でした。内訳は以下のとおり。
リスニングは100問中86問正解で、スコア470でした。Part1のリスニングを油断していたら1問間違えました。後半になって、1問につき3つも質問があることに焦りまた減点。結局14問も間違えてました。
リスニング素点86点 →スコア470
リスニング | 得点 | 配点 |
Part1 | 9 | 10 |
Part2 | 26 | 30 |
Part3 | 28 | 30 |
Part4 | 23 | 30 |
合計 | 86 | 100 |
リーディングは100問中86問正解で、スコア450でした。Part5が結構間違えていました。TOEIC必須単語を把握できていない印象です。簡単だけど忘れてしまった単語たちが結構ありました。後半の読解問題は、以前より苦労なく解けた印象です。
リーディング素点86点 →スコア450
リーディング | 得点 | 配点 |
Part5 | 32 | 40 |
Part6 | 9 | 12 |
Part7 | 45 | 48 |
合計 | 86 | 100 |
リスニング 470 + リーディング 450 = 合計 920
結論、英検1級合格できれば、TOEICは勉強しなくても900点はとれると思います。
TOEIC模試を分割して解く
TOEIC模試を分割して解く
0歳の赤ん坊がいるため120分の時間をまとめて確保するのは無理です。何回かに分けつつ時間を計り合計120分でリスニング・リーディング各100問づつ解きました。
使った問題集は、以前TOEIC700点から900点台を目指すために使用したもの。問題と解説が分かれていて使いやすいので愛用していました。
*追記*
2019年現在のTOEICの形式とは異なるため購入はおすすめしません。
あくまで参考として紹介しております。
これからTOEIC受験のための勉強をする方にはTOEIC公式問題集の購入をおすすめいたします。
受験前に1度は解いておいて損はありません。
TOEICの問題正確にはリスニング45分リーディング75分の計120分ですが、練習なのでざっくりと分割し時間を計りながら解きます。Part7の長文読解は全体で目安52分で解くパート。長いので区切りのよいところで分割します。全半はシングルパッセージ(1つの文章を読んで、2つ~4つの質問に答える)、後半はダブルパッセージ(2つの文章を読んで、5つの質問に答える)なので、シングルパッセージ問題2回、ダブルパッセージ問題と分けると、無理なく練習できます。シングルパッセージの問題は1問1分が目安です。
TOEICの問題にまず慣れる練習をはじめるのであれば、分割して解いても問題ありません。むしろ負担ないレベルで何度も問題を解いてなれることが大切。120分を通して解いてへとへとになってやる気がなくなったり、疲れて間違えた問題の見直しができないことの方が問題。せっかく問題を解いたのに、間違えを正す勉強をしなければ意味がないからです。TOEICの場合でもやはり分割して問題をとく方法は有効です!
このようにTOEICの問題を分割すると1回15分~20分でできます
Part | 問題数 | 時間配分 | |
1 | Part1 & Part2 | 10 + 30 | 20分~25分 |
2 | Part3 & Part4 | 30 + 30 | 20分~25分 |
3 | Part5 | 40 | 13分~15分 |
4 | Part6 | 12 | 10分 |
5 | Part7 シングルパッセージ 1回目 | 16 | 16分 |
6 | Part7 シングルパッセージ 2回目 | 17 | 17分 |
7 | Part7 ダブルパッセージ | 15 | 18分~20分 |
英検1級の実力でTOEICを解いたら900点はとれるが満点はとれない
実際、TOEICの勉強を全くしないで久しぶりにTOEICを解いてみたら920点はとれました。しかし私のイメージでは英検1級の方が問題が難しいのに、920点しかとれなかったという印象です。ではどんなところを間違えたのか見てみましょう。
リスニング間違い14問
1位 10 問 聞き取りミス
2位 3問 語彙
3位 2問 文法
リーディング間違い14問
1位 7問 語彙
2位 5問 文法
3位 2問 読解不足
注目すべきは「語彙」です。全体で10問は語彙で間違えており、これは全体の35%です。英検1級の対策のために上級英単語の語彙力は格段にUPしたと思っていたのですが、TOEICを久しぶりに解くと、英検1級とは出題される語彙が違うので意外と語彙で間違えてしまうのです。例えば次のような問題を間違えてしまいました。
Eaton Corp. warned it would _____ its first-ever quarterly loss after closing restaurants amid intense competition and deteriorating sales.
(A) post
(B) cast
(C) invest
(D) host
正解は(A) のPostです。Postには「(利益)をあげる、(損失)を出す」という意味があり、TOEICでは必須単語なのです。しかしPostは超初級単語。英次郎で調べるとLEVEL1!でもこんな使い方するなんて。TOEICならではの問題であり、落とし穴だと思いました。
よって、英検1級に合格したからといって、全く勉強しなくてTOEIC満点をとれるかといったら、答えはNOです!TOEICで990満点をとるためには、やはりTOEIC向けの語彙の対策、問題へ慣れる練習が必要なのです。
次に間違いランキングで多かったのが、リスニングの聞き取りミス。これは後半のPart3とPart4で多くみられました。理由はTOEICの出題形式が英検と違うから。TOEICのリスニング教材そのものの内容は英検1級ほど難しいものはありません。ただ、1つの会話やスピーチに対して3つの質問があるというところが違います。また質問が書いてあるというところも違います。英検1級では質問は書かれていないので、質問が読まれるまで何が聞かれるか分りません。しかしTOEICでは質問が既に書かれているので先読みして質問を知ることができます。これは大きな違いです。このアドバンテージを活用して質問を先読みして問題を聞くことができるようになれば、質問の答えの部分に集中して聞くことができるようになります。このような解き方の慣れでリスニングの聞き取りミスはかなり減らせるのではないかと思います。
TOEIC点数分析をしてみてわかったこと
素点とスコアは比例しない
たまたまですが、リスニングとリーディングそれぞれ100問中86問正解し、素点が同じだったにも関わらず、スコア換算すると、リスニングはスコア470、リーディングはスコア450と差があったのです!同じ素点でもなぜかリスニングの方がスコアが高くなる仕組み。
- リスニング 素点86点 ⇒ スコア470
- リーディング 素点86点 ⇒ スコア450
合計スコア920
単純にスコアをあげたいのであれば、リスニングで得点を取ったほうがスコアはあがるってことでしょうか。
TOEIC満点はノーミスではない
さらに気づいたこと。満点の990をとるためには、リスニングとリーディング両方スコア495が必要です。スコア算出表をみてみると、リスニングは素点92点~素点100まで、リーディングは素点97点から100点まで、全て同じ495です。ということは、リスニングは8問まで、リーディングは3問までは間違えてもスコアは990満点をとれる可能性があるということです。
TOEIC満点って、120分の試験で一問も間違わずに正解するってことでしょ。そんな神業、相当な集中力がないと無理でしょう。と思っていた私。間違えてもよいと分ったとたん、TOEIC満点ホルダーも夢ではない?と思えて来ました。
しかし先のスコア算定でリスニングで得点があったほうがスコア獲得には有利ということが考えられますが、満点を目指す場合には、極力リーディングでミスしないことが大事といえます。リーディング3問まで(あくまで目安ですが)しか間違えられないからです。900点台のその先は、リーディングパートをきっちりできるようになることが大切ですね。
英検1級とTOEICの問題の違い
TOEICを最後に受けたのはいつだったか記憶にないほど、おそらく7年~8年前です。直近で英検1級向けの勉強ばかりしていたので、TOEICの模試を解いてみたら問題の解き方や対策は全然違うなと感じました。
- でてくる単語の種類が違う
- TOEICは簡単な問題と難しい問題が混在している
- 読解問題の内容の難易度は英検1級の方が上
- 問題を解くスピードはTOEICの方が上
- 問題数はTOEICの方が多い
TOEICは日常会話やビジネスで使われる英語が中心なので、英検1級ででてくるようないわゆる上級英単語はあまりでてきません。ですが、上級英単語を覚えているからといって、ビジネスで使われる慣用表現が全てわかるということにはなりません。先で紹介したPostの例のように、単語そのものは簡単だけれど、場面にあわせた適切な使い方を熟知していなければ、TOEICの上級者向け問題は解けません。単語の難易度レベルに関わらず、ビジネスシーンで使われる単語や慣用表現を抑える必要があります。
もうひとつTOEICの問題で特徴的なことは、初級英語で解ける問題も混在していることです。TOEIC高得点を目指すためには、簡単な問題をいかに時間をかけず早く解くかというところもポイントです。
リーディングのPart5は、知っているか知らないかの問題なので分らないものに時間をかけずなるべく早く解いて読解問題に時間を残すのが得策だと思います。
読解問題の難易度は英検1級に比べるとさほど難しくはありません。ただ量が多いので、いかに短期間で質問されている部分を拾い読みできるかという情報処理の能力が問われます。高得点のためには時間配分には気をつけたいですね。