英検1級の英作文の出題傾向を見てみると、直前のニュースの傾向に左右されている場合がありそうです。過去10回分をみてみましょう。
※2020年2月に更新したので過去14回分です。
目次
英検1級英作文問題過去10回分
以下は2015年第2回~2019年第3回までの過去10回分のライティング問題出題トピックを一覧でまとめたものです。
【2020年2月に追記】
2018年度にそろそろ2019年度あたり環境がでるのではないか?と予想していたとおり、2019年度第3回でついに環境をテーマにした出題がありました!
やはり前年度に話題になっている時事ニュースは、テーマとして選ばれやすいようです。
実施年度 | 出題 ジャンル | トピック |
2015年 第2回 | 戦争 平和 | Can international terrorism ever be eliminated? |
2015年 第3回 | 環境 保護 | Will fossil fuels such as oil and gas still be the world’s main source of energy in the coming decades? |
2016年 第1回 | 戦争 平和 | Agree or disagree : World peace is an achievable goal. |
2016年 第2回 | 政治 | Should democratic nations actively promote the spread of democracy. |
2016年 第3回 | 犯罪 | Should the death penalty be banned in Japan? |
2017年 第1回 | 人権 | Can restrictions on freedom of speech ever be justified? |
2017年 第2回 | 国際 | Should developed nations encourage immigration from other countries? |
2017年 第3回 | 国際 | Should Japan rethink its relationship with the United States? |
2018年 第1回 | スポーツ | Agree or Disagree : Japan will benefit overall from hosting the 2020 Summer Olympics. |
2018年 第2回 | 教育 | Has a university degree in the humanities lost its relevance in today’s world? |
2018年 第3回 | 戦争 平和 | Is a worldwide ban on weapons of mass destruction an attainable goal? |
2019年第1回 | 医療 | Agree or disagree: Infectious diseases will become a bigger problem in the coming decades |
2019年第2回 | テクノロジー | Is space exploration worth the cost? |
2019年第3回 | 環境 | Can renewable energy sources replace fossil fuels? |
ここから、2020年度の英作文の問題トピックを予想できるでしょうか?
2017年〜2018年話題のニュースと英作文問題の関連
直近3回を見てみると、最近のニュースで取り上げられた話題に連動しているように思いませんか?
2017年第3回 『日本は米国との関係を考え直すべきか?』
直近でもないですが、2016年にアメリカ大統領選挙でドナルド・トランプ氏が勝利し、国際政治は様々な混乱がありました。この質問にはトランプ政権の出現が透けて見えます。
2018年第1回 『賛成か反対か:日本は2020年の夏のオリンピックを主催することで全体として利益があると思う』
もちろんこれは東京オリンピックが背景にありますね。いよいよ2020年も近くなってきたこともあり、満を持して出題されたなという感じです。今後も2次試験面接のトピックなどで問われる可能性はあると思います。
2018年第2回 『文系の大学学位は今日の世界では関連性を失ってきた。』
一見すると最近のニュースとは関係ない出題のようですが、日大悪質タックル問題や、東京医大不正入試の問題など、2018年は大学に関するニュースが多くありました。過去10回で一度も「教育」のジャンルから出題されていないことも注目です。
2019年今後の英作文問題を予想
【2020年2月追記】2019年の過去の予想内容です。2020年予想ガキになる方は、とばして↓2020年予想へどうぞ。
少なからず世の中を騒がせている話題のニュースは、英検の英作文問題に影響がありそうですよね。私が注目している次にでそうなトピックは、ずばり「環境」です!環境に関する問題はここ3年英作文では出題されていません。しかし英検1級英作文の頻出トピックの1つであることは間違いありません。
加えて、ここ最近「海に浮かぶプラスチックゴミ問題」が頻繁にメディアに取り上げられていますね。私が2018年第2回(2018年10月実施)の英検1級に向け勉強していた時期に、テレビでよく取り上げられていたのでとても印象に残っています。
また、主なライティング対策の参考書として使っていた「英検1級最短合格!英作文問題」にもしっかりと「環境」のトピックにプラスチックゴミ問題は取り上げられています。
1.プラスチックゴミ問題
海に浮かぶプラスチックゴミ
2018年は7月9日にスターバックスがプラスチックのストロー使用を廃止すると発表し、話題になりました。
また、鼻にストローがささったウミガメの動画も話題を呼びました。
中国が日本のプラゴミ輸入を禁止
さらに中国がプラスチックゴミの輸入を受け入れを禁止することになり、日本はプラスチックゴミを処理できなくなるという問題に直面しました。
いままで中国が日本のプラスチックゴミを買ってくれていたなんて、ここまでプラスチックゴミの話題が世にあがるまで多くの人は知らなかったと思います。私も知らなかったです。
日本はゴミの処理や環境保護への意識がまだまだ低いですが、今後ますますプラスチックゴミの問題は話題となるかと思います。
海に浮かぶマイクロプラスチック
毎年800万トン以上のプラスチックがゴミとして海に流れ込んでいて、マイクロプラスチックと呼ばれる小さなプラスチックゴミとなり、それを魚が食べています。マイクロプラスチックには有害物質が付着しやすく、それを食べた魚を私たちは日々食べています。
「プラスチックボトルなどは、太陽光を浴びると耐久性が下がります。弱くなったプラスチックは風や波の影響などでどんどん壊れ、(5mm以下の)小片になっていく。
週刊現代「こどもにプラスチック入りの魚をたべさせて問題はないのか」より
このマイクロプラスチックの問題点は、小さすぎて一度海に流れ込んでしまうと、回収が困難なこと。海に流れ込み、蓄積されていく一方なのです」
世界に浮かぶプラスチックゴミ(plastic debris)は5兆以上(over 5 trillion)と言われています。
2.日本の労働人口問題
Aging Societyに関する問題はここ最近でていないようですが、2018年は外国人労働力受入拡大の法案をめぐって日本の労働人口不足が取り上げられました。英検が問題に選びそうなところじゃないかと勝手に思っています。「外国人」が関連しているところもポイントだと思います。
例えば外国人の労働力が増えることによるメリット・デメリットは?
メリット | デメリット |
労働力不足の産業をサポート | 治安が悪くなる |
グローバル化がすすむ | 日本人の雇用が減る |
若い労働力の増加 | 賃金の低下 |
このように、賛成・反対両方の立場で書けそうな話題ですね。
2019年度英検1級今後狙われそうなトピックまとめ
今後のライティング問題のトピックに狙われそうな話題は環境&労働力と予想します。この辺の話題は常に英検1級の英作文や、2次面接で定期的に出題されているので、英検1級を受験する人は大抵網羅する話題です。特にマークして日頃のニュースをチェックして英語でどう話すかを考えておくと、英作文のみならず2次試験の対策としても力になります。
- 環境問題 - 特にプラスチックゴミ&マイクロプラスチックの話題。地球温暖化や、原発もあわせてチェック。
- 労働人口 - 特に外国人労働力受入拡大に関連する問題。少子高齢化問題解消についても考えておく。
2019年5月追記:上記は半年前の時点での私の個人的予想になります。
2020年度英検1級英作文のトピックは?
引き続き労働人口はマークしておいていいのではないか?と思っています。
世界人口とか、人口に関する質問は英検でよく問われるテーマ。
質問そのものが人口問題でなくても、人口という切り口で色々な意見の根拠を説明することができるので、勉強しておいて間違いないと思います。
少子高齢化などの社会問題もからめられますね。
あとは、オリンピックイヤーなのでやはりスポーツは一応準備しておきたいところですね。
英作文で出題されなくても、2次試験のトピックになることも。
国際人として、日本人として、オリンピックについて自分の意見を述べられるようにしておくべきでしょう。
個人的には#Me too運動などがあり、女性の人権について考えさせられた2019年。
人権あたりもそろそろあやしいな、と思っています。
あとは、大雨や台風など自然災害が続いた2019年、災害というテーマがあるかわかりませんが、日頃どんな備えをしておくべきかなど言えるようにしておくといいかもしれません。
まとめ
以上はあくまで私の個人的予想であり、出題されるかどうかについては責任を負いかねます。
あくまで参考ということでご了承ください。
どんなトピックが出題されたとしても、英検1級受験者は常にニュースの情報をアンテナをはり、英作文で狙われそうなトピックについて英語で説明できるように日頃から訓練することが大切です。
朝のニュースから1つを選んで英語で説明できるかチャレンジしてみてください。
小さな積み重ねが英作&スピーキング対策になります。
最後に、英作文の対策をするならこちらの1冊が超オススメ。
これ1冊しっかり勉強すれば、どんなトピックがでたとしても対応できる能力が身につきます!
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