英検1級2次面接の準備とスピーチ練習

英検1級1次試験おつかれさまでした。

1次試験合格発表後にあわててこの記事にたどりついた方、英検1級2次面接の勉強は、いまからでも遅くありません。

短期間に集中して行えば、それなりの成果はでます。

なにを隠そうこの私は、1次試験がまさか合格すると思っておらず、残り約3週間で2次面接の対策をしたんです。

評価はオール8点(10点満点中)という、平凡評価でしたが短い期間の対策でも十分合格できることができました。

みなさんは、なるべくなら1次試験終了後すぐに、合格発表をまたず、2次試験の勉強をはじめてくださいね。

目次

英検1級2次対策は前半と後半の計画を!

英検の1次試験終了からすぐに2次対策を始めれば3~4週間の2次対策勉強期間があります。

1次試験終了後にやるべきことの最も重要なことが、2次試験対策を始めるということです。

2次面接の試験対策で取り組んだことについて、前半と後半に分けて説明いたします。

1次試験の結果を待ってから、2次試験の対策を始めると、前半と後半あわせて1週間しかない準備期間になってしいますので、早く始めるに越したことはありません!

前半と後半の概要は下記図のとおりです。

前半はインプット作業です。

問題の出題傾向を知り、トピック別の語彙や表現などの知識の習得に集中します。

後半はアウトプット作業です。

習得した知識をどう言葉にしてスピーチを組み立てていくかの練習に集中します。

という流れになります。

面接はスピーキングです。

そういうと、すぐにスピーキング(アウトプットの練習)をはじめてしまう人がいます。

ですが、私はインプット作業の時間を十分にとることをオススメします。

なぜなら、「知らないことは、話せない」からです。

特に英検1級の二次面接で狙われるテーマは専門的なトピックが多く、語彙やテーマの中身に馴染みがないと話しずらいです。

まずはモデルケースなどを音読して知識としてインプットしましょう。

使用した教材は英検1級面接大特訓

前半&後半を通して、私は主にこちらの「英検1級面接大特訓」を参考書として使用いたしました。

英検1級の2次面接を知りたいならこれ1冊あれば十分!といった内容です。

まず2次面接の概要や配点、評価ポイントなどが理解できます。

近年の出題傾向や重要トピックがなんなのかが簡潔にまとめられています。

2次面接で使える表現やフレーズ集も便利。

そして頻出トピックについて、トピック毎に具体的な質問と模範解答や、想定される質疑応答についてはまで細かく網羅されています。

本書で特徴的なのは、「間違ったスピーチの事例」があること。

読むと一見、立派なスピーチと思うのですが、解説を読むとなぜだめなのかが説明されており、最後に正解のスピーチ例が登場します。

正しいものばかりを参考にするのではなく、間違い例を参考にすることで、陥りやすい間違いポイントが良くわかりました。

そしてCDもついているので、聞いて正確な発音をチェックすることもできるし、聞いて内容を頭にいれるというインプット作業もできます。

やや残念な点は、2016年の出版であること。
2次試験の配点の解説部分など、若干情報が古くなっているので最新版がでてくれると嬉しいです。

英検1級面接大特訓はここがよい
  • 使える表現やフレーズ集が便利
  • トピック別の質問、回答、解説がわかりやすい!
  • 間違ったスピーチの事例もある!
  • CDがついてるので発音&リスニング対策も!

英検1級2次面接対策 前半の勉強

前半はインプット作業

前半はインプット作業が中心になりますので、ひたすらテキストを読む!
です。

可能であれば音読して読むといいです。

テキストの内容により集中できますし、発音の練習にもなります。

通勤中の電車の中などでは、リスニングでインプットするというのもありです。

子育て中のママはなにか作業しながら聞き流すでも、繰り返し行えば効果がでますよ!

私の場合は、最初の2週間で以下のような勉強メニューを可能な限り毎日行っていました。

前半の勉強メニュー
  1. 毎日1ユニット(1テーマ)を読む
  2. CDを聞いて発音を確認。
  3. 再度音読して理解を深める。

英検1級面接大特訓の第3章がテーマ別の実践訓練パートになっています。
1〜9のユニットがあります。

まずは、1日1ユニットをじっくり読みます。スピーチや、Q&Aなどの英文とその解説です。

1ユニット読むのに、10分〜15分ぐらいです。

次に読んだところをCDで聞きます。発音を確認するべきところはチェックします。

今度は英文部分を音読してより理解を深めます。CDで聞いたり、音読したりは、5分程度です。

前半が1週間しかない人は、毎日2ユニットは読み込むようにします。

全部で9ユニットなので、毎日2ユニットなら一通り終えることができ、さらに2周目もはじめられるぐらいのペースになります。

英検1級2次面接対策 後半の勉強

面接大特訓の全テーマを2周ぐらい読むと、出題傾向が理解できるとともに、 テーマ毎の表現や単語なども把握できてきます。

頭にインプットがたまってきたら、いよいよアウトプットの練習をします。

アウトプット作業をする際のポイントは2つです。

  • 模範スピーチの暗記はしない
  • 自分の回答を考える

この2つは私が手探りでスピーチ練習をしていたときに気づいたことなので、自信を持っておすすめできます。

模範スピーチの暗記はしない

1度模範スピーチを読んだ後に、同じ質問の2分スピーチをしようとすると、模範解答のポイントを思い出す作業になってしまいます。

模範回答はそれは素晴らしいですよ。なんたって模範ですから。

無駄のない文法、簡潔だし、根拠となる数値やエビデンスが盛りだくさん。

でもその完璧なスピーチを、全てコピーするのは不可能ですよね。

なにより、結局その意見は自分の意見ではなく、誰か他の人の意見。

所詮、借りてきたものなので、その時点でスピーチ内容に自分の思い入れがないので説得力もなくなります。

また普段自分が話すときには使わないような洗練された言い回しを使おうとすると、そこに意識がいってしまって、全体がスムーズに話せなくなってしまったり、 論点がずれた話をしてしまったりしていまいます。

英検1級の2次試験では論理的に話すことが大切なので、 記憶したものを思い出すというスピーチでは必ずどこかで詰まってしまうのです。

ですから、模範スピーチの暗記はしてはいけません。

頻出の質問に対して自分の回答を箇条書きで用意しておく

英検1級面接大特訓をほぼ2周読み、過去問の質問にざっと目を通すと直近10年ぐらいの間に聞かれる質問の内容にそれほど大幅な変化はないということも分ります。

質問の形は変われど、やはり出題傾向として、頻出されるトピックは一定数ありますので、頻出質問に対しては自分なりの回答を箇条書きでよいので用意しておくとよいです。

また、自分の回答を考える過程がスピーチの構成を考え、自分の言葉で話す経験にもなります。

この点は、1次試験の英作文と似ていますね。

自分で論理を考える練習です。

回答ポイントの用意とは
  • 質問に対する回答ポイントを箇条書きで書きだす
  • 自分が利用したいと思う根拠になるデータがあれば記入
  • そのトピックで使える単語や表現もあれば記入

ひとつひとつの質問に対して、自分なりの回答を用意するというのは面倒なのですが、私にとっては意外にもすごく効果がありました。

ひとつは書くという行為を通して自分の思考や論理が整理されます。

また、書く前に自分の回答をリハーサルすることでスピーチ1回分の練習にもなります。話すと書くという2つのアウトプットを通して自分の回答はより記憶に残ります。

スピーチ原稿を全て用意してしまうのはNGです。

それでは模範解答の暗記と同じになってしまい、実際に話す時にその原稿を思い出す作業をしてしまうからです。

なるべく簡潔に要点を箇条書きで書き出します。
その際に、自分が「これは使えそうだ!」と思う根拠になるデータなども合わせてメモっておきます。

例えば世界人口のトピックについてなら、「2050年までに人口が100億と予想されている」などの情報です。

スピーチに数値などの根拠を上げることができたら、かなり好印象になります。
そのた、使えそうだと思う単語や、忘れそうだけど覚えるべき単語などもメモっておきます。

このようにトピック毎に「自分の回答のサマリー版」を用意することができれば、頭の中はスッキリ整理されます。

また、そのサマリー版を見ることで短時間に復習することができます。

面接当日の移動中や待ち時間にも総復習ができるので大変便利です。

後半ラストのスピーチ実践練習

アウトプットのための準備が整ったら、いよいよ実践練習です。

頻出質問に対して、自分の回答ポイントを用意をしながら、どういうポイントで説明したら自分が話しやすいか、1度スピーチをやってみましょう。

言い直さない練習

スピーチ練習をする時には、口をついてでた言葉をなるべく言い直さないで続けて話す練習をしました。

本番では、一度口からでてきた言葉は引っ込められないからです。

これは何度も練習すれば、自然とできるようになります。

この力が身につけば、本番で予定と少し違う言い方で切り出してしまっても、自然に続けることができるようになります。

一人ぶつぶつスピーチ練習

私の場合は、話すといっても相手になってくれる人はいなかったので、部屋で一人ぶつぶつ言って練習をしていました。

0歳の息子は不思議に思っていたかもしれません。この1人ぶつぶつスピーチ練習は、場所を選らばずどこでもできるので、ちょっと5分時間ができた時でも、1スピーチ練習できます。

ぶつぶつ言わずとも、頭の中でスピーチするだけでも十分に練習になると思います。

このようにアウトプット、スピーキングの練習は相手がいなくても、場所を選ばずできる勉強です。

2次面接直前では、朝のニュースをみて自分で自分に質問して、それに対して答えるというようなスピーキングの練習もしていました。

ニュースは時事ネタ、英検1級ネタの宝庫なので、ニュースを見るときには自分はどう思うかを常に考えるようするとアウトプットの練習になります。

英語のスピーキング上達のためのコツ 〜海外に行かなくても独学で英語は話せる〜

2019年1月10日

過去問を利用する

後半のアウトプット練習に役立てたいのが2019年度版 英検1級 過去6回全問題集(音声DL付)【電子書籍】[ 旺文社 ]です。

1次試験を受験している方ならほとんどの人がすでに1冊は持っているかと思います。

この過去問題集には2次面接の過去問も載っています

これ、意外と見落としがちなんですよね。

直近の過去問だけでも一通り目をとおしておきましょう。

できれば、実践さながらに1分間でトピック選定をして2分のスピーチをするところまで練習してみましょう。

過去問は当然ながら実際に出た問題です。これができなければ本番もあやういはず。
しっかり練習して、スピーチの経験値を積んでおきましょう。

オンライン英会話を短期で利用する

ここまで提案した実践アウトプット練習は、すべて相手がいなくても、ひとりでも可能です。

英語でスピーチを聞いて質問してくれる相手がいないから、2次面接の対策ができない、なんてことは決してありません。

しかし相手がいたほうがより臨場感がある練習ができることも事実。

特に普段英語に触れない生活をしているという人は、相手のレスポンスに対して上手に答えることに慣れるための練習はしてもいいかなと思います。

どうしても相手がいないと練習できないという方、相手ありの実践練習をしておきたいという方は、短期間でオンライン英会話等を利用するのもひとつの手です。

オンライン英会話は無料お試し体験などをしているところがあるので、利用してみるのはいかがでしょうか?

ただし、オンライン英会話を利用するにしても、十分なインプットと自分の論理の組み立てができていない状態では意味がないので注意してください。

英検1級のトピックのインプットがあればこそ、実践練習が活かされます。

また、オンライン英会話を利用する際には、英検1級の面接の対策になるように、「具体的に、こういう質問をして、それに関して質問をしてください」というように教師にリクエストができるオンライン英会話(もしくはコース)を選択したり、そういう説明をして実践練習になるように自ら誘導する努力も必要です。

なにも言わないと毎度おなじみの「自己紹介&週末なにをした?」会話で終了〜という状態になりかねませんから。

オススメオンライン英会話

まとめ

英検1級の2次面接は、しっかり準備すれば合格できる試験です。

正直、1次試験の方がはるかに難しいと思います。

その1次試験を合格したあなたであれば、2次に合格する実力は十分にあるはずです。

後はやるべき準備と対策をしっかり行って、本番に望むのみです。

残された時間を有効に活用し、全力を尽くしてください。

皆様の英検1級合格をお祈りいたします!

面接準備まとめ
  1. 前半はインプット(読む・聞く・音読)
  2. 後半はアウトプット(暗記はしない・自分の回答を用意)
  3. アウトプット実践練習

6 件のコメント

  • 記事楽しく読ませていただきました!
    自分は前回の英検で1次合格、2次不合格で、「こんなの英会話学校にがっつり行ってる人や、普段仕事でバリバリ英語を使う人じゃないと受からないのでは・・・」とあきらめかけていたのですが、また頑張る気になれました。
    次回は3月に2次の面接があります。時間はあまり無いですがやるだけやってみようと思います!

  • 松山さま
    コメントありがとうございます!
    そうですね。英会話学校にがっつりいってなくても、仕事で英語をバリバリつかってなくても、英検1級の面接に合格することは可能だと思います!
    高額な英会話学校に通わなくても、努力次第で十分な力をつけることはできますよ。
    私は面接の対策のために学校に通ったりはしませんでした。
    日常会話レベルの対応力+英検1級のトピックの知識+文章構成能力があれば十分合格できると思いますよ。
    英検1級は1次試験の方が難しいです。
    せっかく1次試験を通過したのに2次に合格しないなんてもったいないです。
    1次通過してから向こう1年(3回)のチャンスがありますから、あきらめずに合格していただきたいと思います。
    検討を祈ります!
    Yayoi

  • こんにちは。私は48歳の主婦です。学生時代に一次を二回合格したものの、二次にあと一点で落ち続け、ずっと心残りでした。子育てが落ち着いたので今回再チャレンジしましたが、2次の結果を待たずに、再度の面接対策を始めることにしました。対策法とても参考になります。ありがとうございます。

  • ナガイさま
    こんにちは。コメントいただきありがとうございます。
    あと1点とは悔しいですね…。でも1次試験を突破できる英語力をお持ちでしたら、
    必ず2次も合格できると思います。
    あきらめずに挑戦しつづけてください!
    合格お祈りしています。
    対策法、参考になるといっていただき大変嬉しいです。
    これからも役にたつ情報を発信していきますので、よろしくお願いします。
    Yayoi

  • こんにちは、とても参考になる情報をありがとうございます!!
    1つ質問があるのですが、英検1級のスピーチでは、英作文と同じように、Bodyの部分にて3つ理由を述べなければいけないのでしょうか??

    3つ理由を述べると、制限時間よりの2分を超えてしまうのではないかと懸念しています。。

  • きりたんぽさん
    コメントいただきありがとうございます!
    英検1級のスピーチでは、ライティングのように「3つの根拠をあげて回答しなさい」という指示はないので、必ずしも3つ理由をあげなくても大丈夫ですよ!
    スピーキングで3つ理由を挙げるのはちょっときついので、個人的には2つぐらいがちょうどいいと思いました!
    会話のテンポをよく(沈黙はなるべくさける)や、スムーズなコミュニケーションがすることのほうが、もっと大事だと思います。
    がんばってくださいね!
    Yayoi

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    ABOUTこの記事をかいた人

    忙しくても子育てしていても英語を学びたい、仕事に活かしたい人を応援・サポートしています。 2008年通訳案内士資格取得。現在は外資系企業に勤務。 2018年育児休暇を取得中に独学で英検1級に合格。 2019年現在TOEIC970取得 英検1級の勉強法や、仕事で使える英語術・コミュニケーション術を発信しています。 英語の勉強についてご質問&ご相談があればお気軽にお問い合わせください。