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2016年度の問題改定により英検1級英作文の重要度がUP
英検1級の英作文の問題は、2016年度の試験内容の改定により今まで以上に配点が高くなり、英検1級1次試験突破のためには攻略必須のパートとなりました。
ではどれほご配点が高くなったかというと、以前は全体の24%にとどまっていた配点が、全体の3分の1にまで上がりました。
また出題の仕方も変更となりました。
2015年度までは問題のヒントとなるPOINTSが提示されていました。
回答者はそのPOINTSの単語を含めて論理を構成すればよいので、ある程度論理を構成する要素が与えられていて、作文が作りやすかったのですが、2016年度以降は、このPOINTSがなくなり、ヒントなしで自分で論理を組み立てることが求められるようになりました。
また、分量も200wordsから200~240wordsへ若干の増加となりました。
2015年度以前 | 2016年度以降 | |
配点 | 28点満点 | 32点満点 |
割合 | 全体の24% | 全体の3分の1 |
ヒント | POINTSあり | POINTSなし |
分量 | 約200 words | 約200〜240 words |
出題は1問ですが、英作文の作成にかける時間はおよそ25分~30分
1問の出来栄えで点数が大きく左右するので、決して軽んじることなく、しっかり対策して望みたいところです。
もとより英作文が苦手な方はもちろん対策が必要ですが、英検1級受験者ともなると、ある程度ライティングに自信がある方もいると思いますが、そういう方でもしっかりと対策はしておくべきです。
英検1級の英作文は、ただ書けばいいだけではありません。
得点をUPするためのセオリーがあります。
英検1級の英作文で点数をとるための書き方をしっかり学び、1次試験に臨めば、短期間の対策でも安定して点数を確保することができます。
各言う私も最初に英検1級に挑戦したときには、英作文についてはなんの対策もなく試験に臨み、28点満点中の16点(58%)とかなり残念な結果で終わりました。
その時には、通訳案内士試験にも合格していたし、ある程度文章はかけるというおごりもあったと思います。
初心に戻り、やはり問題の傾向分析と対策をしっかり行い、短い期間ながらも点数が取れる英作文の書き方をマスターすることによって、英作文でも点数を伸ばすことができました。
詳細は、英検1級1次試験発表 英作文の評価は?を参照ください。
しかも今回2018年度の英作文の出題では、問題に含まれていた単語の意味が一部わからなかったにもかかわらず、なんとか準備していた知識とセオリーで乗り切りました。
問題もしっかり把握できていたら、さらに点数はUPできたと思います。
今回は、そんな英作文の独学勉強法をご紹介します。
英検1級英作文は2ヶ月で対策できる
前述のとおり、英作文は英検1級1次突破のために軽んじてはいけないパートですが、私自身、どれくらいの勉強量で対策したかというと、2ヶ月間、約30分を週5日です。
決して多くはないと思います。
それより、語彙力強化に費やした時間の方がはるかに多いかと思います。
英検準1級レベルの実力があり、英検1級英作文にのぞむ受験者にとっては、
このぐらいの時間で十分に対策ができると思います。
この2ヶ月で出る差はかなり大きいと思います。
私の場合は、試験予定日の丁度2ヶ月前から英作文の対策を始めました。
それまでは、ひたすら語彙力強化のため単語を覚え、NHKの実践ビジネス英会話を聞いて、耳に英語を慣れさせることをこつこつ続けていました。
英検の勉強の序盤では、全く英作文の勉強はしていなかったです。
英検1級英作文を独学で勉強するための教材
英検1級の英作文を独学で勉強するために最適な教材は、ずばり「英検1級最短合格!英作文問題完全制覇」です。
(MP3音声無料DLつき)最短合格! 英検1級 英作文問題完全制覇
この教材には大変お世話になりました。
まず、英作文問題の傾向と対策、そして解き方を最初に説明してくれます。
英検1級の英作文って、どんな問題で、どのように解いたらよいかが
分り易く説明されています。
次に、頻出する12分野について、5~6行のこれもまた丁度よい分量の答案サンプルが200個載っています。
ハッキリ言って、これを読むだけでも十分対策になります。
使われている単語はそれほど難しくなく、覚えやすい表現であるし、数値の事例なども最新の情報があり、大変参考になります。
最後に、実践問題が30問あり、それぞれの質問について、賛成の場合と反対の場合の2パターンの模範回答と解説が載っています。
さらに購入者は音声も無料ダウンロードできるので、携帯や音楽デバイスにいれておけば、通勤中も聞きながら覚えられます。
英作文の他、2次面接の際にも参考なると思います。
2次面接の受験会場に向かう際に、私はひたすらこれを聞いていました。
他にも、いろいろな使える定型表現がありますが、ヒントとなった参考書は
「英検1級面接大特訓」です。
面接対策の教材ですが、実は英作文対策にも役立ちます。
この教材のいいところは、使える短い定型表現がよくまとまっていること。
英作文の失敗例も記載されているところです。
失敗して論理矛盾を起こしている例を挙げ、それを添削する形で説明されていることで、
同じような失敗に陥らないように対策をとることができます。
CDもついているので聞きながら表現を覚えることもできますし、
前述した「英検1級最短合格!英作文問題完全制覇」と組み合わせて大変活躍いたしました。
英検1級の英作文の得点獲得のためのセオリー
この最強英作文対策教材「最短合格!英作文問題完全制覇」にほぼ同様のことが説明されておりますが、私の体験に基づいた英作文で点数をとるためのセオリー、コツを紹介します。
- 指定された構成で書く。
- 論理矛盾しないよう、あらかじめポイントを下書きする。
- 定型文を活用する。
1.指定された構成で書く。
英検1級英作文の問題はこのように出題されます。
- Write an essay on the given TOPIC.
- Give THREE reasons to support your answer
- Structure:Introduction, Main body and Conclusion
- Suggested Length: 200 – 240 words
なので、まずは指定どおりに書く必要があります。構成は以下のようになります。
Introduction | 導入 | 30~40語ぐらい |
Main Body 1 | 本文1 | 50~60語ぐらい |
Main Body 2 | 本文2 | 50~60語ぐらい |
Main Body 3 | 本文3 | 50~60語ぐらい |
Conclusion | 結論 | 30~40語ぐらい |
2.論理矛盾しないよう、あらかじめポイントを下書きする。
英作文を書き始める前に、最も重要なのは自分の考えを箇条書きで書き出して、
自分の立場を決め、それをサポートする理由を3つ決めることです。
自分の立場を先に決めるのではなく、賛成の立場と反対の立場両方の点でとにかくサポートできる理由を箇条書きで書き出してみます。より強い理由が出せたほうを自分の立場とします。
その時、より強い理由が書きやすい方を自分の立場とするほうがよいです。
例えば、本当の自分は原発に反対だとしても、賛成の立場の方が、環境によい、コストパフォーマンスがよい、安定して供給できるなど強いアピール、書きやすい根拠がだせるのであれば、賛成の立場をとります。
英作文にかける時間は約30分ですが、この構成の下書きには5分ほど使ってもよいでしょう。
しっかりとした下書きができていれば、あとは型にはめて書くだけです。
実践問題でなんども練習を積み重ねれば、得意のトピックではより早くポイントをまとめられるようになります。
3.定型文を活用する。
下書きがしっかりできていれば、半分はできたようなものです。
後は型に当てはめて書いていく作業になります。
基本的には英作文の採点は、減点方式です。文法やスペルミスなどは減点対象になります。
余計な減点を減らす、時間をかけずに200~240語を書くために定型表現を使わない手はないです。
私は導入部分は100%定型分を使います。この2パターンのどちらかで全て書けます。
イントロ定型文
パターン1 - Controversialなトピックのとき
It is a highly controversial issue whether or not (質問文の内容). Personally I believe that xxxx should …
パターン2 - Controversialでないとき
There have been a lot of discussions and debates about whether or not (質問文の内容). Personally I believe that xxxs should…
例えばこのような質問だった場合、
TOPIC: Should nuclear power be promoted?
イントロはこう書きます。
It is a highly controversial issue whether or not nuclear power should be promoted.Personally I believe that nuclear power generation should be promoted.
所要時間1分ほどで書きあがるでしょう。簡単です。
実践練習で何度も書いてここは丸暗記でもOKです!
節約した分の時間は本文にあてます。
本文とまとめの定型表現
あとは、本文を書いていきます。
大切なのは、3つの本文を必ず改行してスペースをあけ、
ここから本文だとはっきりとわかるように書きます。
Introduction | It is a highly controversial issue whether or not…. |
Main Body 1 | First, |
Main Body 2 | Second, |
Main Body 3 | Finally, |
Conclusion | In conclusion, |
結論は、In conclusion, や In summary,などを頭につけ、3つの根拠を簡単に1文にまとめた上、最後に再度自分の立場を明確にします。
In conclusion, for three reasons,environmental protection, cost efficiency and stable supply,I think nuclear power plant should be promoted.
このように簡単にまとめます。
このように、決まった形と分量がわかれば、200語なんてあっという間に書けます。
あとは本文に詰め込む内容となる引き出しがどれだけ持てるかです。
そこは、2ヶ月間でじっくりと頭にいれておきます。
英作文問題完全制覇を使った私の勉強方法
1.頻出分野のテキストを繰り返し読む&聞く
2018年度第2回の試験日10月7日のちょうど2ヶ月前から英作文問題完全制覇の分野別コンテンツブロックを読み始めました。
人権、犯罪、世界の問題など各12分野ごとに、1段落分のそのまま使える模範解答が載っています。
1日1分野を目安として、最初の1ヶ月はテキストを読んでいきました。
12分野なので毎日1分野読めば、1ヶ月で2周半できます。
余裕があれば1日2分野読んで、3周でも4周でもなるべく多く繰り返し読むことをおすすめします。
読むだけでなく、書き写すのもよし。
音声データを活用して、通勤中に聞くもよし。
自分に合ったスタイルで、頻出トピックに使える表現、話題、ポイントなどを
頭に入れていきます。
できれば声に出して読んでいくのがいいでしょう。
2.直前1ヶ月、実践問題を1日1題やる
試験直前1ヶ月前から、いよいよ英作文を書きます。
しかし、テキストを十分読み、英作文の組み立ての仕方も分っていれば、結構すらすらと書きだすことができます。
注意したいのは、これは暗記のテストではありません。
覚えた内容を思い出して書くのではなく、本番と同じ状況、つまり何も見ないで
現状の力でどこまで書けるかを実践します。
最初は、せっかく覚えていたはずの解答ポイントが思い出せない!と焦ることもあります。
が、テキストの模範解答はあくまでも、模範解答。
持っている知識に自分の考えを加えて、自分なりの回答を兎に角書いてみましょう。
最近見たニュースの話題を例にだしたり、自分の経験を例にだしたり、
「自分の回答」を作るようにしましょう。
結局、実際の試験の際には、この練習で自分でひねりだしたポイントや表現が、
真っ先に思い浮かびますし、スラスラとかける力となります。
スピーキングでも同じことが言えると思いますが、テキストの丸暗記よりも、
実際の場面で、1度で自分の頭で組み立てた文章というのは、忘れないし、
自分の表現になるので、次に同様の場面に遭遇したときにスラスラと口をついてでてきます。
ライティングの場合も同じで、一度でも自分の言葉で書き出した文章は、
何度でも再現できるものです。
一度使った表現がデジャブのように頭に思い浮かぶとき、
その表現が完全に自分のものになった瞬間だと思います。
私はこの体験を何度もしたことがあります。
この自分の表現にする体験を作るために、実践問題に取り組みます。
実践問題は30問あるので1ヶ月間毎日1題取り組めば、ちょうど終わることができます。
(MP3音声無料DLつき)最短合格! 英検1級 英作文問題完全制覇
まとめ
英検1級の英作文は解き方のコツを知って、きちんと対策すれば得点が飛躍的にのびるパートです。
また英作文の対策の勉強をすることは、同時に2次面接にむけてスピーキング力をつけることにもつながります。
英検1次試験直前2ヶ月は英作文対策をしっかり行い難関1次試験突破を目指して頑張ってください。
みなさまの検討をお祈りします。