英検1級になかなか合格できず、あきらめかけていた頃、私がしていた最大の失敗は単語の覚え方。
わからなかった単語を、どんどん単語帳にかきだしていくという手作り単語帳方式。
これは英検1級の単語には不向きなんです。
今回は、英検1級の単語を覚えるために効果的な3つのアプローチをご紹介いたします。
「英検1級の単語を覚えるために単語帳を手作りしている」
「英検1級合格のための語彙力がなかなか増えない」
このような方は是非お試しください。
目次
英検1級の手作り単語帳はつくってはいけない
英検1級に何度も不合格していた頃は、過去問を解いた後に知らなかった単語を片っ端から単語帳に書き写し、意味を調べ、それを暗記するという方法で単語を覚えようとしていました。
ところが英検1級の場合は単語量が膨大すぎて、単語帳を作るだけでかなりの時間がかかります。
費やした時間の量と、覚えた単語量を振り返ると圧倒的に非効率でした。
英検1級の必要単語数が約12000語~18000語といわれています。
当時の私の実力が準1級相当(約8000語)だったので、追加の4000語を覚えなければなりませんでした。
さらに追加の4000語は今までの単語のレベルとは格が違います。
英検準1級から英検1級への単語レベルの変化は段違いです。
見たことも聞いたこともない単語がズラリ…。
英語の勉強で最もつらいと思われるのがこの圧倒的に難しい単語の暗記です!
英検1級の勉強をはじめるまでは、手作り単語帳方式一筋だった私は見事に壁にぶちあたりました。
英検1級は、いままでとは違う。
違う方法で単語を覚えなければならない。
こうして英検1級の単語と再び向き合うことを決意し、手作り単語帳方式から卒業したのです。
英検1級の単語を再び覚えようと決意してから約10ヶ月で英検1級に合格することができました。
難易度の高い追加の4000語を覚えるために必要なこと。
- 効率よく覚える
- 重要なものから覚える
- 繰り返し記憶する
英検1級に合格した今、自信をもっていえます。
英検1級の単語を覚えるために手作り単語帳は必要ありません。
英検1級の単語を覚えるための3つのアプローチ
英検1級で私が単語を覚えるためにとった対策は以下の3つです。
- アプリで音と視覚のインプット
- 語源で単語の意味と構成のインプット
- 過去問で単語の出題パターンのインプット
それぞれに特徴があり、同じ単語を学習しても得られることが違います。
また3つの違うアプローチで並行して学習することで、意図的に単語の反復を生み出します。
単語を記憶するために大切なことは「何度も出会う」こと。
同じ単語でも違う方法の学習の中で、何度も出会うことで、単語と親密になり記憶に定着していくのです。
また重要な単語ほど必然的に繰り返し出会うことになります。
この「3つの単語学習アプローチの相乗効果」を狙ったのが、私の単語学習の特徴です。
以下の図をみてください。
これは3つの学習方法により網羅できる単語をイメージしたものです。
3つの輪が重なり合うところで、同じ単語との出会いが発生します。
たとえば、アプリで初めて出会った単語Aがあったとします。
その数日後、語源学習をしていたら、同じ単語に出会います。
「あ、この前覚えたAだ!」
さらに語源学習の効果によりこの単語Aの成り立ち、他の意味を知り、Aに親近感が湧きます。
例えるなら、知り合いから友人になった感じです。
さらにまた1週間後、過去問の語彙問題を解いていたら再びAが選択肢の中に!
「やっぱりAは出題されているんだ!」
3回同じ単語に出会うとこれはもう忘れられません。
これはもう、友人から親友レベルです。
また同じ過去問を使った学習の中でも、2度出会うことはあります。
たとえば語彙問題で出会った後に、読解問題で同じ単語に出会うなどです。
このように別のところで、繰り返し同じ単語に出会うことで、その単語を再記憶するのです。
3つのアプローチを同時並行にとりいれることで、1回だけの短期記憶でおわらせず、長期記憶にしていく反復が自然と発生します。
また違うアプローチで同じ単語に出会うと、その単語の違った顔が見えてきます。
それもまた記憶されやすくなる要因となります。
これが、3つのアプローチの相乗効果なんです。
次にそれぞれのアプローチについてその具体的な方法と特徴をご説明いたします。
1.アプリで覚える
アプリで覚える方法は「英検でる順パス単アプリ」を使った学習です。
でる順パス単アプリ | |
特徴 | 頻出順で覚えるので効率的 短期記憶 |
ここがいい! | 場所を選ばず手軽に勉強できる 発音を音で学べる 頻出単語がわかる |
ここが残念! | 単調で飽きやすい 何度も繰り返さないと記憶に残らない |
1回の学習所要時間 | 5分〜10分 |
アプリが便利なのは、音が確認できること、場所を選ばすに学習できる、携帯だけあれば勉強できる、などがあります。
主婦で子育て中だった私にとって、「いつでも身軽な状態で勉強体制に入れる」というのが、1番のメリットでした。
携帯さえあれば勉強ができるので、移動中はもちろんのこと、授乳中に、単語30個をさらっと聞き流すという学習もしていました。
でる順パス単のアプリは、自動的に音声を流しページをめくってくれるという機能があり、授乳中で片手しか使えない自分でも、耳と目で学習ができます。
最初は授乳自体に四苦八苦していたので出来なかったのですが、慣れてくると、授乳中も貴重な勉強時間に。
子育てママの英語学習にはアプリの活用は必須だな、と思いました。
また英検1級の勉強後期では、頻出順を確認するためにアプリを活用していました。
単語検索機能があるので、他の教材や過去問学習中に知らない単語にであったときには、検索して頻出単語かどうかをチェックします。
でる順パス単には、頻出順にA→B→Cとランクがついており、覚える優先順位づけができます。
Aの単語だったら絶対覚える。
Cの単語だったら後回し。
でる順パス単に載っていなければ覚えない。
膨大な単語を覚えなければいけないので、この良く出る単語を優先して覚えるということはとても重要です。
優先順位の確認のためにこのアプリは欠かせないツールでした。
3つの方法の中で最も手軽に勉強でき、優先順位の指標となるアプリ学習。
もっと詳しく知りたい方は「英検でる順パス単アプリの便利機能と使い方」も合わせてご覧ください。
2.語源から覚える
語源から覚える方法で私が使った教材は「WORD POWER MADE EASY」です。
語源から覚えるWORD POWER MADE EASY | |
特徴 | 単語のパーツ、構成知る 単語の意味を深く理解 長期記憶 |
ここがいい! | 長く記憶に定着する 似た単語をまとめて覚えられる 初めてみる単語の意味を推測できる力がつく |
ここが残念! | 洋書なので読みづらい 時間がかかる |
1回の学習所要時間 | 30分〜1時間 (やり方次第では分割も可能) ⇒「語源を学び英検1級語彙力をアップするWORD POWER MADE EASYの使い方」にて解説 |
語源から英単語を覚えるというのは、単語のパーツの意味を学び、英単語の成り立ちと本来の意味を理解して覚えるということです。
例えばBicycleのBiはtwoの意味。
Cycleは丸いタイヤ部分を意味しています。
自転車はタイヤが2つついているのでBiなんですね。
ちなみにタイヤが1つの乗り物はUnicycleです。UniはOneを意味します。
日本人が漢字を覚えるときに漢字の部首を覚えて、その組み合わせで複雑な漢字を覚えていくのと似ています。
英語ネイティブは、単語のパーツの意味を理解しているから、難解な単語の意味も推測できるのです。
単語のパーツ=語源をたくさん覚えると、こんなメリットがあります。
- 類似した単語を関連づけて覚えられる
- パーツの意味から単語の意味を推測できる
- 一度覚えた単語を忘れにくい
単語は単発で覚えていくより、関連させて覚えたほうが記憶に残りますし、効率的です。
また、パーツの意味を知って覚えたほうが、脳が納得して記憶してくれるので忘れにくくなります。
英検1級の読解問題のような難易度の高い文章を読む場合には、単語の意味を推測できる力というのは、非常に役立ちます。
英検1級の長文読解には、知らない単語は必ずでてきます。
そうしたときでも、単語の一部分の意味だけでも知っていれば、前後の文章の内容から意味を推測できるようになります。
日本語でも、新聞や雑誌を読んでいて知らない漢字がでてきても、なんとなく漢字の部首で推測できてしまいますよね。
語彙問題でも4択のうち2つしか知らなかったとしても、このパーツから意味を推測する力で知らない単語であっても結構正解できました。
このように単語の推測力は英検1級ではかなり役に立つスキルなのです。
語源による学習はアプリではカバーできない、単語本来の意味を理解することができます。
アプリで「知った」単語をもっと「理解する」ことができ、ぼやっとしていた単語の意味が、はっきりとした輪郭をもって見えてくるのです。
語源学習についてもっと詳しく知りたい方は「英単語の語源がわかると忘れにくい〜上級語彙力アップの学習法〜」で詳しく解説しています。
3.過去問で覚える
過去問というのは 旺文社英検1級過去6回全問題集のことです。
過去問で覚える | |
特徴 | 出題パターンの学習 英検1級の問題に慣れる |
ここがいい! | 頻出単語がわかる 単語が使われる文脈がわかる |
ここが残念! | 過去に出題された単語しか網羅できない 過去問だけでは記憶に残りづらい |
1回の学習の所要時間 | 10分〜15分 |
過去問を繰り返し解いていくことで、英検の出題傾向もあわせて学習していきます。
自分にとっての覚えるべき単語を優先順位づけするためでもあります。
くりかえしますが、膨大な語彙数を効率的に覚えるためには、これはとても大切です。
優先順位は、前述したでる順パス単でも確認できるのですが、ここでは自分にとっての「よく出くわす、どうしても覚えられない単語」をピックアップします。
過去6年~10年分を解いてみれば、似たような問題が頻出していることに気づきます。
このように自分の肌で、「絶対に覚えておくべき単語たち」を感じることが大事です。
選択肢にでてくる4択が全てわからない状態で、やみくもに端から覚えていくよりも、よくでる単語に繰り返し出会い、どんな文脈で使われるのかを知り、そして記憶していくことが結果的には有効です。
選択肢の回答になる単語は、たいていの場合、Aランク=頻出する単語ですので、必ず覚えるようにします。
それ以外は最初は無理に覚えようとしなくてもよいです。
正解の単語が分っていれば、他を覚えてなくても問題は解けます!
(この理由は「英検1級の単語が難しすぎて覚えられない人に朗報」で説明しています)
いつも関連して出てくるセットの単語にも注目です。
例えば犯罪関連の単語は、この中のいくつかがセットで登場します。
convict, prosecutor, suspects, culprit, apprehended
このような単語は関連付けて覚えるといいでしょう。
過去問を使った単語学習については「挫折しない英検過去問の勉強法6つの秘訣」も参照ください。
まとめ
英検1級の単語を覚える3つのアプローチはいかがでしたでしょうか?
その日の気分やシチュエーションに応じて、学習方法を選んでみてください。
ポイントは1つのやり方だけでなく、様々な方法で繰り返し単語に出会うことです。
この方法は、私がいろんな方法で単語学習を試してみたところ、偶然発見したものです。
気がついたら、「あ、またこの単語でてきた!」という体験を繰り返すうちに単語が頭の中に入ってきていた感じです。
英単語を覚えるという勉強は、英語学習の基礎ですが、一番つらい部分でもあります。
飽きっぽい私は、1つの方法だけでは長続きしませんでした。
3つの方法を並行して使うことで、気分転換にもなるし、相乗効果で記憶に定着するという、一石二鳥な単語学習法になりました。
それでもどうしても、「英単語もういやだ!」となったら、今の自分の語彙力を測ってみてください。
1ヶ月前より、どれぐらい問題が解けるようになったのか?
語彙数はどれぐらい増えたのか?
どんな方法でも、過去の自分と比較して成長がみられればOK
勉強のモチベーションをあげる方法「英検1級をあきらめない夢ノートの使い方」を参考に、英検1級の単語攻略をあきらめずに続けてみてください。
英検1級の語彙力強化は、かならず英検1級合格への近道となります!
有益なサイトをありがとうございます。
つまらないことですが、旺文社が昭文社になっているところがいくつかありました。
くましろとりさん
ブログを読んでくださりありがとうございます。
ご指摘ありがとうございます!
恥ずかしながら、愛用している旺文社様の漢字を間違えていたなんて・・・。
修正させていただきました。
今後もお気付きの点がありましたら、アドバイスいただけると幸いです。
Yayoi