英検1級の読解問題は、正直いって読みにくいコンテンツの文章ばかりです。
新聞や専門誌などから引用されているため、普段そういうコンテンツの英語を読み慣れていないと、1段落読んだだけで、ううぅぅぅ難しい!っと諦めモードになってしまう英検1級の1次試験の最難関パートでもあります。
英検1級に合格した今でも、あまり進んで読みたいと思わない英検1級の長文・・・。
だけど、1次試験通過のためには、どうしても乗り越えなければならない壁なのです。
そこで、今回は英検1級の長文読解に悩まされている英検1級受験者のみなさんへ「長文読解で点数が取れない3つの要因」をご紹介します。
長文読解の苦手を克服し、安定して得点できるようにするためには、まずその要因をつきとめることが大切です!
私自身の経験・失敗から学んだことを、お伝えしますので、参考にしてみてください。
目次
要因1:知らない単語があるから読めないと思い込んでいる
「知らない単語ばかりで読めない!」これ、ひょっとするとよくある思い込みではないかと思います。
自分は語彙力が十分じゃないから読めないのだ!と思っている方。
たしかに語彙が原因のことも考えられますが、それだけではありません。
さらにいうと、英検1級の長文にでてくる知らない単語は、なくなることはありません!
知らない単語がほとんどなくなるぐらいに語彙力をつけてから読解に取り組むでは、いつまでたっても読解力が身につきません。
英検1級では、知らない単語があっても長文の意味を捉えることができる力が必要なんです。
英検1級の長文問題で扱われるトピックは、政治・経済・歴史・科学・環境など、日本語で書いてあったとしても知らない言葉がありそうな小難しい内容のものばかり。
それを英語で読むのですから、知らない単語がたくさんでてくるのは想定内です。
初めて聞いた言葉、日本語できいてもよくわからない専門用語がでてきても、落ち着いて文章全体の意味をとっていくことができれば、読解問題に正解することは十分に可能なのです。
例えばこちらの記事をご覧ください。
2020年第1回の長文読解からの抜粋です。
以下は、これを初見で読んだときの私の頭の中の声です。
次にNeuroscientistがでてきたので、
「Nueurosを調べている科学者のことを言っているんだな。またNeuroだよ。キーワードかもしれないな。」
「Human memory、cell (細胞)これは流石にわかる。人体のメカニズムの話がトピックみたい。」
そして最後に、nervous systemを見て、ピンときました。
「nervousは、ナーバスになるとかで使う、神経質なという単語、つまり神経のメカニズムのこといってるのか、きっとneuron とnervousは近い意味なはず」
このようにして、1段落目でこの文章のトピックは神経システムのことについての話であり、nervous とneuronはほぼ同意語の専門用語だと推測しました。
実際、neuronは専門用語で、意味:ニューロン、神経単位 と辞書にありました。
つまり、ほとんどの人にとってneuronは知らない単語、それでもこの文章は読めるのです。
こういった科学雑誌、ニュースなどの英語文章は同じ単語の繰り返しを避けます。
同じ単語を同じ文章に何度も繰り返して使うことは、英語ネイティブにとってスマートでないから。
それを逆手にとれば、同じことを違う単語、違う表現で言い直してくれているはずなので、言い換え言葉の意味が取れれば知らない単語があっても、全体の意味をとれるのです。
要因2:英検1級の読解で抑えるべき単語やフレーズを覚えていない
2つ目の要因は、読解に必要な語彙力の不足です。
と、今度は要因1と反対のことを言ってますね(笑)
でもこれもまた事実なのです。
知らない単語はあっても読解問題は解ける、でも最低限必要な単語を知らないと、これは話が別。
読解問題の回答にたどり着けません。
回答の選択肢にでてくる文章の意味がとれない、というのはNGです。
1つ、2つ知らない単語があっても構いませんが、本文の重要な文章の意味・問題の選択肢の意味を理解するために、キーワードとなる単語を知らないと絶対に読解問題は解けません。
読解問題を解いて、語彙やフレーズがわからなかったことが原因で、正解を選べなかったときは、その語彙やフレーズは読解に必要な語彙と認識してください。
ある程度の基本語彙力が身についていなければ、英検1級の長文読解を読み解くのは困難です。
ここで、要因1と要因2をまとめると、英検1級の読解問題には、「覚えるべき単語とそうでない単語がある!」ということなのです。
要因3:文章全体の流れを理解していない
最後に要因3として、文章全体の流れを把握していないこと。が挙げられます。
難しい内容の英文1文づつの意味を取ることに集中しすぎると、段落全体・文章全体の意味を落としがちになります。
これは「木をみて森をみず」状態。
読解とは、文章で伝えたいことを正解に読み取ることです。
この全体の流れを把握するための力を養う方法として、「要約しながら読む」ということを意識してください。
実際、長文読解において段落は大切なポイント・目印となります。
例えば、4段落ある文章の構成を例として図解するとこうなります。
(いつも同じとは限りませんが)
前述したように、英検1級の長文読解の出題文章はプロが書いている文章です。必ず論理的な文章構成になっています。
起承転結のような、論理展開もはっきりとしているはずなのです。
上記の図のように単純化すれば、1段落に1メッセージがある、ということです。
これを意識して、この段落の伝えたいメッセージはどこか?を考え、段落ごとに要約するようなイメージで読みましょう。
また大抵の質問はそういった、段落の大切なメッセージを問う場合が多いです。
もう一つのポイントは、接続詞です。
However, but, nevertheless , in addition などの段落冒頭の接続詞は、論理が展開する目印。
注目ポイントです。
However,のあとには、前の段落と反対の主張がくるはずだ、ということが最初からわかります。
このように段落ごとのメインメッセージを把握して、論理展開をチェックしていれば、質問の中で明らかに間違った説明を削除できます。
例えば、3段落目の主張と正しいものはどれ?という質問があったとして、2段落目と同じ主張、最初の主張を肯定している選択肢は不正解だ、とわかるということです。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
まとめますと、この3つが長文読解で答えがみつからないときに考えられる要因となります。
- 単語がわからないから読めないという思い込み
- 読解に必須の語彙力がまだ身についていないこと
- 段落ごとのメインメッセージ、文章の流れを把握できていないこと
これらを解消するために、必要な対策は以下のとおり。
- 知らない単語があっても読める力をつける。
- 読解に必要な基礎的単語やフレーズは確実に覚える。
- 段落ごとに要約して読む。文章全体の流れを捉える。
最初は時間をかけてもいいので、じっくりと1つの文章を読み、問題を解いてから何が原因で正解をみつけられないのかということを徹底的に分析してみてください。
原因がわかれば対策は立てやすい。かならず長文読解力は向上するはずです。
皆様の参考になれば幸いです。
「ん?neuronsってなんだったけな?聞いたことないなぁ。とりあえず先を読むか。」