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英検1級リスニングは4つのパート
英検1級リスニング対策の勉強法について以前書きましたが、今回は各パート別に問題分析し、私が考える回答のコツをご紹介いたします。
リスニングは前半100分の筆記試験の後30分間で行います。
長文を大量に読んで疲れきった後に、30分集中してリスニングを行うので、集中力、根性、忍耐が問われます。
リスニングパートは全部で4つ。各パートの特徴と得点のためのコツを説明いたします。
リスニング・パート1 会話形式
最も簡単なパート。ここはパーフェクトもしくは8割以上はとりたいところです。
シンプルな四択で、男女2名の会話形式になります。
全部で10問ですが、最後の2問だけ若干長い会話となり3人登場します。
- 登場人物をイメージする
リスニングの最初なので、イントロダクションが長いです。
その間に問題を先読みすることができます。
英検は問題用紙に書き込みOKなので、キーワードになりそうな単語に◯をしたり、余白に日本語でメモしたりします。
あまりたくさん先読みしすぎても、覚えておけないので、「どんなトピックの会話がでてくるのかな〜」ぐらいな気持ちで先読みします。
とりあえず最初の問題はとくに念入りに先読みしておいて確実に正解してリズムをつくりたいですね。
リスニングがはじまったら、会話を聞くことに集中すること。
回答の選択肢を全て読み終わっていなくても、会話の内容がしっかり頭にはいっていれば、リスニング後に問題を読んで回答することは十分可能です。
英検1級のパート1は時間に余裕があるので、聞くことに集中してください。
会話なので登場人物をイメージしながら聞くとよいです。
男性と女性の会話なので、それぞれの立場や意見をとらえることがポイントです。
よく聞かれる質問として「What does the man suggest the woman do? (男性は女性になにをするよう提案していますか?)」とかがあります。
この場合、質問をしっかり聞いておかないと間違える可能性があります。
誰が、誰に?提案している?系の質問は、主語をしっかり聞くことが大切です。
夫婦の会話、職場の会話、ショップ店員と顧客、空港での会話など日常会話の範囲でのトピックになるので、語彙や表現はそれほど難しくないと思います。
リスニング・パート2 スピーチ形式
私が思う最難関パート。
1名によるスピーチ形式の長文が読まれ、ひとつのスピーチに対して2つの質問があります。
スピーチの内容は、歴史、科学、文化などPart1と比べるとかなり難易度の高い内容の文章になります。
- タイトルを聞き逃さない!
- スピーチが始まったらリスニングに集中する。
タイトルは集中して聞きましょう。
タイトルからこれから読まれる文章の内容が推測できます。
たまにタイトル自体がよくわからないこともありますが。
質問が2つあるので、質問を読みながら聞いてしまうのですが、これが逆効果になることが多いのです。
スピーチが流れている間はリスニングに集中し、内容を聞き取ることに専念したほうがよいと思います。
パート2は、出題分野によっては内容が全然把握できない!ということもあります。
そんなときは、この問題をバッサリと切り捨て、次の問題を先読みする。というのも1つの作戦です。
リスニング・パート3 場面形式
Part1の次に簡単なパート。
近年、やや難易度が高くなっている感触はありますが、時間に余裕があるので、じっくり問題を読んで全問正解を目指したいところ。
最初に10秒間でSituationとQuestionを読む時間が与えられます。
問題の背景を理解した上でスクリプトが流れます。
人物が話す前にそのシチュエーションの効果音が流れ、会話がスタートします。
空港、ショップ、電話、学校、会社などの場面が多いです。
- 場面を思い描く。
- 設定を最初に頭にいれ、会話のリスニングに集中する。
予め場所や登場人物もわかり、質問もわかっているのでそのシチュエーションを頭に思い描き、会話に集中します。
他のパートより時間に余裕があるので、質問と場面設定をしっかりと頭にいれてから聞くことが最大のポイントです。
リスニング・パート4 インタビュー形式
インタビュー形式の会話について、2つの質問が出されます。
スクリプトが最も長く、回答時間が短いので、やや難易度が高いですが、会話の内容はわりと聞き取りやすいものが多いです。
- 質問に軽く目を通す
- メモを取りながら聞く
質問文が比較的長い割りに、回答時間が短いので、できれば2つのうち1つでも質問に軽く目をとおしておきたいところ。
必ずインタビュー形式なので、最初の挨拶のやりとりの間に、ちらりと質問を読めるとベスト。
本題が始まったら会話に集中。
会話が長いので、メモをとりながら聞くと集中できます。
そのメモを後で読み返すわけではないのですが、メモをとっていると、会話の流れや内容が頭に入りやすく、残りやすいです。
リスニングが出来ない理由
私の経験上、リスニングが出来ない理由は、大体このどちらかが原因です。
1.そもそも読んでもその文章がわからない
2.単語がわからない
結局、読めない文章は聞き取れないし、知らない単語があると聞き取れなくなるのです。
聞き取れなかった、理解できなかったリスニングの問題は、必ずスクリプトを確認してどこが聞き取れなかったのか原因を確かめてみてください。
文章自体が難しくて理解できない場合は、リスニングだけの問題ではなく、語彙力、文法、読解力など総合的にレベルアップを図る必要があります。
部分的に聞き取れなかった場合は、その部分の単語や熟語を知らない場合がほとんどです。
語彙力強化が、リスニング力アップにつながります。
リスニング強化のための演習
自分のリスニングの弱点を知るために有益なのがディクテーションです。
正解のスクリプトが確認できるリスニング教材を使って、自分の苦手なリスニング問題を聞いて、聞こえた文章を全て書き出します。
文法や冠詞なども意識して正確に書き取ります。
聞き取れない部分、自分の苦手なところを、客観的にみることができます。
結局、読めないものは聞けない。知らないものは聞けない。ということが改めてわかります。
おすすめは英検1級過去問のPart2の問題で一番難しかった1題をディクテーションします。
私がディクテーションをしてみて思ったのは、
読んで難しい文章は、聞いても難しい。
Part2のスピーチは全て2つの段落でできている。
Part2は長いスピーチですが、必ず前半と後半に分かれていて、
後半の頭にHowever,とか In fact,とかついて話が展開するパターンです。
例えば、科学の研究に関するテーマの問題では、前半では過去の研究や理論について触れ、後半では、ところが近年の研究で新しい発見があり、過去の理論が覆ったなどの話などが典型的なものです。
そういったスピーチの特徴とかも分ってくると、聞き取りもやりやすくなります。