中学、高校、大学と普通に学校で習う英語教育のみで英語を学ぶと、優秀かそうでないかという差はあれど、ほぼ同じような英語力が身につきます。
英語を使った仕事ができるというレベルになるには、学校英語に上乗せして自ら英語の勉強をする必要があります。
そのためには社会人になってから英語を勉強するという強い動機、強い意思、そしてそれらを後押ししてくれる「きっかけ」が必要だなと思います。
私も大学を卒業し社会人となり、石の上にも3年と言われ最初に就職した会社で残業三昧の日々に耐える毎日をおくり、「いったい何をしているんだろう?」と自らを見つめなおすまで、海外にでたこともなく、学校で学んだ英語はさびつき、英語と仕事は無縁という生活をしていました。
そんな時に、出会った一冊の本があります。
「たった3ヶ月で英語の達人」
「たった3ヶ月で英語の達人になれたら苦労しないわっ!」と当時の私は思いながらも、書店でこの本を手にしました。
結果、3ヶ月で英語の達人にはなれなかったものの、私のその後の人生を大きく変えたことに間違いありません。
今、再びこの本を読んでみても、当時心に響いた言葉が同じように心に響きます。
「英語が好きだけど上達するにはどんな勉強をしたらいい?」
「英語を使って仕事をしたい!」
「英語ができると人生どう変わる?」
このような過去の私と同じ疑問や悩みをお持ちの方には是非読んでいただきたい1冊です。
今回は、私がこの本を通じて得たこと、英語キャリアを育てようと決意したきっかけをご紹介したいと思います。
目次
大人になってから英語学習の再スタート
作者の志緒野マリさんは通訳ガイドを職業としています。
英語とスペイン語のガイドライセンスを持ち、英検1級取得、TOEIC955の持ち主です。
また「日本笑い学会」の会員でもあり、ユーモアたっぷりに自分の英語学習の経歴から、ガイドや海外旅行での実体験を語ってくれます。
私はこの本がきっかけで、「通訳ガイド(現在は通訳案内士)」という面白い職業があることを知りました。
「旅行しながら、英語を話しながら、お金を稼げるって最高じゃん?」
という安易な理由で、ガイドライセンス取得をめざして再び英語を勉強し始めることを決意したのです。
当時25歳ぐらい。
さすがに3ヶ月では全然足りず、のらりくらりと3年弱かかり通訳案内士試験に合格することができました。
結局、通訳案内士の仕事は大変な割りに実りが少ないという理由で断念しましたが、この時必死に勉強して得た英語力は今につながっています。
通訳や翻訳の仕事をさせてもらったり、外国人の上司や同僚に囲まれているインターナショナルな環境で働かせてもらえているのは、このとき英語の世界に飛び込むという勇気をくれたこの本のおかげだと思っています。
どんなことがきっかけだったとしても、始めたことが全てを変えた。
と今振り返るとしみじみ思います。
「私には、向いていない。」
「時間がないし、仕事もしているから、今から英語を習得するのは無理」
というできない理由を並べるのは簡単だけれど、
自分がやりたいことに正直になって、「えいっ!」と一歩を踏み出すことがとっても大切です。
英語学習にかける費用は自分への投資
本書の中に、志緒野マリさんが英語とスペイン語のガイドになるまでにかかった費用と、その後資格取得ゆえに得た収入をまとめた収支決算表が載っています。
支出は、英語のガイド試験や英検1級のための学校の費用、スペイン語習得のための大学費用やメキシコ留学など合わせて161万円。
収入は、外国人用免税店でのバイト、英会話英語講師、家庭教師、通訳ガイドなどの収入で726万。
単純に比較しても、投資した分よりはるかに多く収入を得られています。
私自身について振り返ってみても、通訳学校にいったり、ガイド受験コースにいったりなど、英語にかけた時間と費用は相当な額だと思いますが、その見返りとして得られた収入、機会の方が多いと思います。
本気で英語をものしようと決意し、実行に移せば、その投資は決して無駄にはなりません。
むしろ、あなたの人生を豊かにする意味のある人生への投資だと思います。
スピーキングの極意
「英語のスピーキング上達のためのコツ」という記事で、スピーキング上達のコツという記事を書きましたが、
たった「3ヶ月で英語の達人」を読み返していたら、その原点はここにあったと気づきました。
- 自らが積極的に話そうとする
- 言いたいことの2割をあきらめる
- インプット作業を平行して進める
先日私が書いた記事の内容とほぼ同じようなことをおっしゃってます。
「言いたいことの2割をあきらめる」=「完璧をめざさない」
「インプット作業を平行して進める」=「ひとりイメージトレーニング」
2割はあきらめてもいいんだ、と思えばなんとかなりそうですよね。
最初は4割でも5割あきらめてもいいと思います。
スピーキングの最初の練習で大切なことは、自分がもっている単語の引き出しをどう上手にあけて使っていけるかっていうことです。
最初は使える引き出しを増やしていくことに専念するため、
会話で必要な単語やフレーズを覚えて使う、使って覚えるの繰り返しが確実な上達方法なんですね。
「自らが積極的に話そうとする」これは確かなスピーキングの極意です。
当たり前かもしれないですが、積極的に話さなければ上達しません。
海外の語学学校でよくある光景ですが、日本人や韓国人などのアジア人は会話のクラスでだんまり。一方でヨーロッパや南米出身の人たちは、文法めちゃくちゃなのにひたすら話し、質問しています。
その結果、スピーキングが伸びるのはやっぱり、ひたすら話しているグループの人々。会話のクラスは話をして何ぼなので、貝のように口を閉じていると授業料の元がとれないという結果に。
日本においての英会話教室でも同じことが言えます。せっかく授業料を払って学校に通うならそのクラスで一番発言する質問するぐらいの勢いで参加しましょう。
話せば話すほど会話力は伸びます。
他に人がいると緊張して話せないという人は、マンツーマンレッスンや、オンライン英会話がおすすめ。いやでも話さなければならないですからね。
マリさん流のように少ない投資で結果を出すなら、リーズナブルなオンライン英会話でも使い方次第では十分会話練習の場となります。
短期間で英語を習得したいなら資格をとるのがいい
英語学習にも様々なアプローチがありますが、マリさん流は短期集中型。
資格試験に合格するという明確なゴールがあることで、短期間に集中して英語を学び、得た資格を利用して仕事を得ることでさらに英語を磨くという方法です。
志緒野マリさんも最初に受ける英語の資格試験として英検をおススメしています。
- TOEICと異なり、「読」「聞」だけでなく「書」「話」もテストしてくれていること。
- 級別の合否判定があることで「合格したー!」という達成感が味わえるから。
私にとっても英語力を伸ばすために資格試験を活用する方法が、一番合っていたと思います。
英語の勉強にはゴールがありません。自分がどこまで登ったのか、目指す頂上はどこなのか、長い学習の道のりの途中で、必ず立ち止まることがあります。
自分のやり方でいいのか、めざす方向はあっているのか。
なので、自分が勉強した成果がわかりやすく証明できる英検がいいのです。
英語ができることで広がる世界
最後に、なによりもこの本を読むことで感じることは、英語ができることによって世界が開けるということとその喜びです。
本の中で、マリさんがインドを旅していた時に、タクシーの運転手と英語で料金の交渉をしたという話があります。
英語の再勉強を決意した当時の私は、いつかマリさんのように海外でタクシーに乗ったら料金の交渉をしてやる!と思ったものです。
インドにはまだ行ったことはありませんが、出張でバンコクに滞在していた時には何度もタクシーの料金交渉をしたものです。
その時、ついに私もここまで来たんだと思いました。
英語で問題なくコミュニケーションがとれるようになると、どうなると思いますか?
海外に行ったことがない、英語で外国人と深いコミュニケーションをとったことがない、日本以外の文化や生活に触れたことがない人にはわからない、第二の世界が開けます。
今や英語が話せない自分の人生など想像がつきません。
自分の子供にも世界の様々な人と価値観を共有できるようなコミュニケーション能力の高い人間に育ってほしいと切に願っています。
マリさんの体験記を読むことで、英語ができるとこんなに世界が開けるんだ!と感じることができます。
英語資格の勉強に疲れて、初心を忘れそうになったときにも、読み返すと「英語の達人」をめざすと決意したときの自分を思いだすことができます。
なぜ英語を勉強したいのか?それは、英語を極めたその先にある世界を見たいからです。
・英語を仕事にできる!
・海外旅行を何十倍も楽しめる!
・世界中で人との出会いがある!
・人に(自分の子供に)英語を教えられる!
・未知の体験ができる!
あの時めざすことを決めた通訳案内士試験と英検1級、そのどちらも取得できた今、たしかに新しい世界が広がったと実感しています。
しかし「英語を極めた」「英語の達人になった」とは思いません。
英語を学ぶということにゴールはないけれど、英語でコミュニケーションが自由にできるという一つのハードルを越えた先には、必ず新しい世界が開けると思います。
まとめ
私の場合の「きっかけ」は、この1冊の本でした。
人生を変える衝撃の1冊は、是非手元に残しておくことをおすすめします。
こうして読み返すたびに発見があるし、迷ったときの道しるべになります。
「たった3ヶ月で英語の達人」から学べること
- 英語学習の投資は自分の人生への投資だということ
- スピーキングの極意
- 英語上達のために資格を利用するべし
- 英語ができることで広がる世界とその喜び